自動車構成部品の音響特性は近年、法規制や車両軽量化、顧客からの要望などにより、高いレベルが求められており特に電気自動車の登場により、マスキングノイズやハイトーンノイズの低減の重要性が増しています。
開発期間の短縮には、構想段階または設計段階のできるだけ早い段階で、CAEを用いて音響特性を評価することが重要です。特に、部品のグローバルな動特性が音響性能を大きく左右しますが、これは構想段階でこそ大きな改善が期待できます。MNOISEを利用することで部材表面における音響評価が可能になり、シミュレーション上で部品のクリティカルな部位やホットスポットを検出できます。これらの結果を利用することで、より良い部品設計に貢献します。
仮想部品の音響評価は、有限要素法を用いたモーダル周波数応答解析で行われます。周波数領域を用いることで、過渡応答の立ち上がり効果が周波数応答解に干渉しないというメリットがあります。また、モーダルアプローチは計算効率に優れています。MNOISEは、プリプロセスでは周波数領域における負荷データテーブルの生成を半自動で行います。さらに、ポストプロセスでは部材表面の音響結果を解析し、その結果をビジュアル的に分かりやすく表示します。(例えば音響パワーのキャンベル線図)
MNOISEは周波数応答解析用の負荷データを準備するためのフーリエ変換が可能です。特に、複雑な負荷データを読み込む場合、MSC Adams リクエストファイルフォーマットのインターフェースは、FEソルバーへのデータ転送を簡素化してくれます。また、ASCIIインターフェースにより、任意のソースから負荷データを生成することができます。さらに、MNOISEギアモジュールは、平歯車の運動方程式を解き、FEシミュレーションによる応答分析のための準備負荷テーブルをエクスポートし、ギア鳴き解析に直接利用することが可能です。
FEシミュレーション終了後、MNOISEを使用して、部品の近接場における音響評価ができます。特定の表面点やエリアを評価対象として定義し、これらの表面において評価できます。
- 周波数毎の法線速度の二乗平均値
- 周波数毎の平均騒音レベル(ニアフィールド音圧、単位:dBまたはdB(A))
- 周波数毎の音響パワー(dBまたはdB(A))
- 周波数帯域における音響パワー(またはノイズレベル)の面分布
- 音響パワーまたは騒音レベルのキャンベル線図
- 各点における変位、速度、加速度のキャンベル線図(構造物伝搬音の評価)
放射音の評価
一般的な測定結果を基に、キャンベル線図からオーダーカット、スピードカット、周波数積分を生成することが可能です。MNOISEを利用すれば、測定結果とシミュレーション結果を容易に比較することができます。例えば、ボーンノイズや放射音評価に用いる加速度レベルと音響カメラによる測定値などです。
MNOISEは幅広い用途にご利用いただけます。
- 内燃機関
- 歯車噛み合わせ端のEMを応用したeDriveシステム
- ギアボックスの音響およびトランスミッションの音響
- モータや路面からの加振を伴う車体NVH解析n
音響評価全般に
適用可能
AbaqusやMSC Nastran、プリプロセス用にMSC Adamsが利用可能。