CFD
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マグナは、自動車産業における幅広いシミュレーション・サービスを提供しています。3Dシミュレーションは、測定が不可能な段階でその挙動を理解したり、測定が不可能な部分を詳細に調べることにより、熱や流れに関するシステムや部品の改善をサポートすることができます。

熱マネージメント部門は、3次元流体シミュレーション(CFD、SPH)と熱システムに関連する1次元システムシミュレーションの能力を備えています

数値流体力学のシミュレーション

車両熱マネージメント(VTM)において、計算流体力学(CFD)は重要な役割を担っています。なぜなら、個々の部品だけでなく、車両全体の挙動に影響する、複雑な空気の流れが車両の周りから車体の内部にまで存在するからです。1次元システムシミュレーション(KULIを使用)では、車両内の異なる冷却回路間の流体の流れをまとめて解析して、それらの相互作用を見ることができます。ここ数年で確立された平滑粒子流体力学(SPH)法は、複雑な油・空気相の相互作用など、従来のCFDでは限界のある領域にも適用されています。

  • 部品内部の流体の流れを把握する
  • 計測センサーが適用できない場所での流れの挙動を予測する
  • 開発工程にシミュレーションループを導入することによる開発コストの削減
  • 設計の改善と最適化
  • 特定のコンポーネントの仮想データベースによる設計プロセスのサポート(例:パフォーマンスマップ)

計算流体力学とは

CFDシミュレーションによる車両全体解析

車両全体にわたり、空気の流れを正確に予測することで、空力性能を向上させることができます。特にトラック車両では、空気抵抗の低減が燃費低減の原動力の1つになっています。エンジニアリングセンターシュタイヤー(ECS)では、キャビンの設計部門と熱マネージメント部門が密接に連携することで、空力的に優れた形状や、技術的に実現可能な最先端のキャビンの設計を効率的に開発することができます。さらに、CFDを用いて水滴の流れ場を可視化して評価することで、キャビンの汚れを改善するデザインを検討しています。 

キャビン開発では、周囲の空気の流れだけでなく、キャビン内の空気の流れも可視化評価することで、空調ダクトの効率的な設計に役立てることができます。また、除氷ダクトでは、暖かい空気で氷の層が溶ける様子をよくとらえることができ、設計された成果を確認することができます。さらに、乗客が運転中に快適さを感じるかどうかも、開発の初期段階ですでに調査することができます。

パワートレインに目を向けると、車両熱マネージメント(VTM)は、冷却回路を介してそれぞれのコンポーネントをつなぎ合わせ、ドライブトレイン全体が熱問題の制約を受けないようにするための重要な役割を果たします。このため、エンジンルームのCFDシミュレーションを行うことで、空気の流れがパワートレイン部品から発生する熱をどのように排出するかを深く理解することができます。冷却パッケージの性能を向上させるには、冷却パッケージ内の空気の流れを最大化し、同時に再循環経路を最小化する必要がありますが、シミュレーションはこの開発プロセスを強力にサポートします。3Dシミュレーションの結果を、KULIをベースとしたフルビークルシステムシミュレーションと組み合わせることで、冷却水温度を正確に予測し、3Dシミュレーションの最適化ループにフィードバックすることができます。

CFD解析による空力性能とキャビン汚れ防止の改善検討。

コンポーネントレベルの3D CFDシミュレーションでは、コンポーネントがどのように動作しているか、また、いくつかの設計変更によってコンポーネントがどのような影響を受けるかを詳細に把握することができます。開発初期段階でシミュレーションを使用することで、設計の問題をより早く発見、対策を行います。それによって試作後に何度もテストを繰り返すことを避けることが可能です。さらに、コンポーネント内の流体の物理的な挙動を理解することで、それぞれのコンポーネントに対する知識を深めることができます。

私たちは、パワートレインのコンポーネントにフォーカスしています。オーストリアにあるマグナの拠点では、インバータ、eMotor、ギアボックスに関する深い知識を有しており、様々なテスト設備での試験評価サービスや、シミュレーションのモデル化などのサービスを提供していいます。それらの開発で重要となる、熱源(例:ダイ、巻線ヘッド)からシンク(冷却水、オイル)への熱流束の分布を解析して、私たちは最適化アルゴリズムを適用し、お客様の設計の最適化された冷却システムを提案します。 ​​​​​​​

  • エアロダイナミクスとソイルに関する設計の最適化
  • アンダーフードおよび冷却システムシミュレーションによる仮想冷却パッケージの組込み
  • 最適な部品配置のためのアンダーフード熱保護
  • 冷却、昇温、除氷シミュレーションを含むキャビンの快適性調査
  • コンポーネント内部のオイルフロー分布
  • コンポーネント設計のための共役熱伝達シミュレーション

Magna ECSによるCFDシミュレーションサービス